Q. オンデマンド配信のセミナーは、実際どうなのでしょうか?
A. 施策としては有効です。ただし、ライブ配信やリアルセミナーと同じ熱量は期待しすぎない方がよいです。
BtoBマーケティングでは、ウェビナーの録画を活用したオンデマンド配信やアーカイブ配信を行う企業が増えています。
オンデマンドセミナーとは、過去に開催したセミナーや事前に収録した動画を、見込み客が好きなタイミングで視聴できる形式のセミナーです。
リアルタイムで参加する必要がないため、参加者にとっては気軽に申し込みやすい形式です。
実際、申し込み数だけを見ると、通常のウェビナーと同程度に集まることもあります。
しかし、ここで注意が必要です。
申し込み数が同じでも、視聴の熱量やフォローのしやすさは、ライブ配信とはかなり違います。
オンデマンドセミナーは、いつでも見られる便利さがある一方で、参加者にとっての緊張感は弱くなります。
リアルセミナーやライブウェビナーのように、「その時間に参加する」という予定化された接点ではありません。
そのため、片手間で見られたり、ながら見されたり、途中で離脱されたりする可能性があります。
早送りやスキップをされることもあります。 その結果、主催者側が本当に伝えたい内容が十分に届かない場合もあります。
つまり、オンデマンドセミナーは便利ですが、過信は禁物です。
工数を抑えてコンテンツを資産化できる一方で、参加者の熱量や商談化導線は弱くなりやすいと考えるべきです。

申し込みは集まりやすいが、フォローは難しくなる
オンデマンドセミナーのメリットは、申し込みのハードルが低いことです。
参加者は、決められた日時に予定を合わせる必要がありません。
業務の合間、移動中、昼休み、空いた時間など、自分の都合に合わせて視聴できます。
そのため、申し込み数だけを見ると、ライブウェビナーと同じくらい集まることがあります。
「あとで見られるなら申し込んでおこう」と考える人もいるため、申込の心理的ハードルは低くなります。
ただし、問題はその後です。
オンデマンド配信では、参加者がそれぞれ別のタイミングで視聴します。
今日見る人もいれば、1週間後に見る人もいます。 申し込んだまま見ない人もいます。 途中まで見て終わる人もいます。
このように視聴タイミングがバラバラになるため、フォローのタイミングが難しくなります。
ライブウェビナーであれば、開催直後に一斉にお礼メールや補足資料を送れます。 参加直後の熱量が残っているタイミングで、個別相談や資料請求へ誘導することもできます。
しかし、オンデマンドセミナーでは、全員が同じタイミングで見ているわけではありません。
そのため、単純に「申し込み翌日にフォローする」だけでは、まだ視聴していない人に連絡してしまう可能性があります。
逆に、視聴した人へのフォローが遅れると、関心が下がってしまいます。
オンデマンド配信では、申し込み数だけでなく、以下のような行動を見てフォローする必要があります。
- 実際に視聴したか
- どこまで視聴したか
- 複数回見ているか
- 関連資料をダウンロードしたか
- 視聴後に別ページを見ているか
- アンケートに回答したか
つまり、オンデマンドセミナーは、申し込みを集めるだけなら比較的やりやすいです。
しかし、商談化につなげるには、視聴後の行動データを見ながらフォローする設計が必要になります。
オンデマンドセミナーは、集客よりもフォロー設計で差が出る施策です。
ライブやリアルに比べると、視聴の熱量は下がりやすい
オンデマンドセミナーは便利ですが、リアルセミナーやライブウェビナーに比べると、参加者の熱量は下がりやすいです。
リアルセミナーであれば、参加者は会場に足を運びます。 移動時間を使い、予定を空け、講師の話をその場で聞きます。
ライブウェビナーでも、決まった日時に参加するため、ある程度「今から聞く」という意識が生まれます。
一方、オンデマンドセミナーは、いつでも見られます。
これはメリットである一方で、緊張感が生まれにくいというデメリットにもなります。
参加者は、メールを見ながら、資料を作りながら、チャットを返しながら視聴するかもしれません。
場合によっては、音声だけ流しているだけの状態になることもあります。
また、録画であることが分かっているため、早送りやスキップもされやすくなります。
重要な前提説明を飛ばされる。 事例紹介だけ見られる。 製品紹介パートだけスキップされる。 最後の個別相談案内まで見られない。
こうしたことも起こります。
その結果、主催者側が設計したストーリーが十分に伝わらない可能性があります。
さらに、オンデマンドセミナーではアンケート回答率も低くなりがちです。
ライブウェビナーであれば、終了直後にその場でアンケートを案内できます。 参加者も「今終わった」という流れの中で回答しやすくなります。
しかし、オンデマンド配信では、視聴タイミングがバラバラです。 視聴後にアンケートへ進まず、そのまま閉じられることも多くなります。
そのため、参加者の課題や関心度を取得しにくいという弱点があります。
オンデマンドセミナーは、見られる可能性を広げる施策です。
しかし、深く聞いてもらう、反応を得る、個別相談につなげるという点では、ライブやリアルより弱くなりやすいです。
運営工数ゼロで施策をストックできるのは大きなメリット
一方で、オンデマンドセミナーには非常に大きなメリットがあります。
それは、講師だけでなく、運営側の工数も大きく減らせることです。
ライブウェビナーであれば、開催のたびに講師、司会、運営担当、配信担当の時間を押さえる必要があります。
リハーサル、当日の接続確認、チャット対応、録画確認、トラブル対応なども必要です。
しかし、オンデマンドセミナーであれば、一度録画して公開してしまえば、繰り返し活用できます。
参加者がいつ視聴しても、講師が毎回登壇する必要はありません。 運営担当が毎回配信に張り付く必要もありません。
これは、BtoBマーケティングにおいてかなり大きなメリットです。
なぜなら、セミナーコンテンツを一過性のイベントではなく、ストック型の資産にできるからです。
たとえば、以下のような活用ができます。
- 過去ウェビナーをアーカイブとして再利用する
- 資料ダウンロード後の追加コンテンツとして案内する
- メルマガやステップメールで定期的に紹介する
- 営業フォロー時に参考動画として送る
- 問い合わせ前の学習コンテンツとして設置する
- Webサイト上の中間コンバージョンとして使う
オンデマンドセミナーは、単発の集客施策として見るより、リードナーチャリング用のコンテンツ資産として見るべきです。
新規リード獲得、既存リードの再接点化、営業支援、セミナー後フォロー、メルマガ配信など、さまざまな場面で活用できます。
ただし、オンデマンドセミナーだけで商談化まで一気に進めようとすると弱いです。
視聴後に、補足資料、チェックリスト、個別相談、次回ライブウェビナーなどへつなげる必要があります。
つまり、オンデマンドセミナーは「これだけで完結する施策」ではなく、他の施策と組み合わせて活用するコンテンツです。
オンデマンドセミナーの価値は、集客そのものよりも、何度も使える商談化コンテンツを持てることにあります。
【まとめ】オンデマンド配信のセミナーは、実際どうなのでしょうか?
オンデマンド配信のセミナーは、BtoBマーケティングにおいて有効な施策です。
申し込みは通常のウェビナーと同程度に集まることもあり、参加者にとっては好きなタイミングで見られるというメリットがあります。
一方で、視聴タイミングがバラバラになるため、フォローは難しくなります。 ライブウェビナーのように、開催直後の熱量を使って一斉に個別相談へ誘導することはしにくくなります。
また、リアルセミナーやライブウェビナーに比べると、視聴の熱量は下がりやすくなります。 片手間やながら見、早送り、スキップによって、主催者側が伝えたい内容が十分に届かない可能性もあります。
アンケート回答率も低くなりがちなので、参加者の課題や関心度を把握する工夫が必要です。
それでも、オンデマンドセミナーには大きなメリットがあります。
講師だけでなく、運営側の工数も抑えながら、セミナーコンテンツをストックできることです。
一度作った動画を、Webサイト、メルマガ、ステップメール、営業フォロー、資料請求後の追加コンテンツとして何度も活用できます。
つまり、オンデマンドセミナーは、ライブ配信の代替ではありません。
リード獲得やリードナーチャリングに使える、ストック型の商談化コンテンツとして考えるべきです。
活用するなら、視聴後のフォロー、補足資料、個別相談、次回ウェビナーへの導線まで設計しておくことが重要です。

