Q. IT業界の良い資料、悪い資料を一発で見分ける方法は?
A. 「〜できる」「〜可能です」が多い資料は機能説明に寄りすぎている可能性が高く、「〜になる」と顧客の変化を描けている資料ほど良い資料です。
IT業界の資料を見分けるときは、機能の多さではなく、読み手が導入後にどう変わるのかが書かれているかを見るべきです。「〇〇できます」「△△が可能です」という表現が連続する資料は、ベンダー側が言いたい機能を並べているだけになりやすく、読み手にとっての価値が伝わりにくくなります。
一方で、「営業活動が属人化しなくなる」「問い合わせ対応の抜け漏れが減る」「管理者が進捗を把握しやすくなる」のように、導入後の状態が具体的に描かれている資料は、顧客視点で作られている可能性が高いです。

「〜できる」「〜可能です」はベンダー目線になりやすい
SaaS資料でよくある失敗は、機能一覧をそのまま営業資料にしてしまうことです。「顧客管理ができます」「レポート出力が可能です」「外部ツールと連携できます」といった表現は、事実としては間違っていません。しかし、それだけでは読み手にとって何が良くなるのかが分かりません。
特にBtoBの検討者は、機能そのものよりも、業務課題が解決するか、社内で説明しやすいか、導入後に現場が使えるかを見ています。機能だけを並べても、「便利そう」では終わっても、「自社に必要だ」とまでは思われにくいのです。
つまり、「〜できる」「〜可能です」が多い資料は、売り手が説明したいことを並べているだけで、買い手が知りたい変化に届いていない可能性があります。
良い資料は「導入後にどうなるか」を描いている
良いSaaS資料は、機能ではなく、導入後の状態を説明しています。たとえば「ダッシュボード機能があります」ではなく、「案件の進捗がリアルタイムで見えるようになる」と書かれている方が、読み手は自社で使うイメージを持ちやすくなります。
この違いは小さく見えますが、資料の説得力には大きな差が出ます。「〜できる」は機能の説明ですが、「〜になる」は顧客の未来の説明です。BtoBの資料では、この未来像があるかどうかが重要です。
特にSaaSは、実際に使い始めるまで価値が見えにくい商材です。だからこそ、資料の段階で「導入すると、今の業務がこう変わる」と具体的に伝える必要があります。
見分けるポイントは主語を入れ替えて読めるかどうか
資料をチェックするときは、文章の主語を確認すると分かりやすいです。「本サービスは〇〇できます」「この機能では〇〇が可能です」という文章が多ければ、主語はサービス側にあります。これはベンダー目線の資料です。
一方で、「営業担当者が対応状況をすぐ確認できるようになる」「管理者がボトルネックを把握しやすくなる」「顧客対応の抜け漏れが減る」のように、主語が利用者や組織になっている資料は、顧客視点に近い資料です。
良い資料にするには、機能説明をなくす必要はありません。ただし、機能を説明した後に「その結果、顧客はどうなるのか」まで必ず書くことが重要です。機能は理由であり、顧客の変化こそが訴求の中心です。
【まとめ】IT業界の良い資料、悪い資料を一発で見分ける方法
IT業界の資料は、「〜できる」「〜可能です」が多いほど機能軸のベンダー目線になりやすく、「〜になる」と導入後の変化を描けているほど顧客視点の良い資料になります。
資料を確認するときは、機能の数ではなく、読み手の業務・立場・成果がどう変わるのかが書かれているかを見るべきです。機能を並べるだけでは比較表で終わりますが、顧客の未来を描けている資料は、商談化につながる資料になります。

